米国東海岸発のワインムーブメント『WINE RIOT』
いま、アメリカで新しいワインのムーブメントを起こしつつあるイベントに参加してきました。
その名前も『WINE RIOT(ワイン・ライオット)』。
「Riot」とは英語で暴動、騒乱やお祭り騒ぎの意味。
このWINE RIOTは「学び」と「革命」をテーマに掲げ、若い消費者に対してワインをもっと気軽に楽しんでもらうことを目的としたイベント。世界中から250種類以上のワインを試飲しながら、インフォグラフィック、ミニセミナー、音楽、SNS、ペーパータトゥーなどを駆使して誰でも楽しめるような仕組みになっています。
このイベントは米国東海岸を中心に、ニューヨーク、シカゴ、ボストンなどの大都市で定期的に開催されています。今回参加したのは、3/4と3/5にニューヨークで開催されたイベントのオープニングナイト。かなり期待しておりましたが、人数、規模、熱気、仕掛けなど想像以上でした。こういったイベントがワイン消費量世界一のアメリカを支えているのだと実感しました。
会場となったのはマンハッタンのミッドタウンにある69th Regiment Armoryというかつては武器庫だった巨大なスペース。開会前には会場の周りにすでに長蛇の列が。
会場に入るとまずはGovinoの割れないグラスがそれぞれもらえます。これは持ち帰り可。
そしてすぐに初心者でも分かり易いように、Wine101として代表的なワインのタイプの違いを説明するブースが迎えてくれます。
「辛口vs甘口」、「樽熟成vs樽なし(ステンレスタンク熟成)」
「旧世界vs新世界」
「若いワインvs熟成したワイン」
そして更に進んでいくと、会場はそれぞれの「生産国別」と「品種別」という二つの切り口で分けたブースが沢山並んでおります。
生産国別のブース
それぞれの国のどこで、どんな品種が造られているのかを知りながらワインを試飲出来ます。
なかでも一般消費者にとって分かりにくい、フランスのワイン産地を赤ワインと白ワインに別け、それぞれの産地で造られている品種を網羅してる地図はこれまで見たことがありませんでした。品種ごとの分類になれているアメリカ人にとっては非常にわかりやすいと思います。
そして品種別のブース
このブースを回りながらワインを飲むことで、どんなタイプのワインで、どんな食事に合い、どこの国で多く造られているのかが一目瞭然です。
セミナーブースでは20分程の様々なワインにまつわるテーマのミニセミナー&試飲が楽しめます。地元ニューヨーク州最大のワイン産地フィンガー・レイクスへのワイナリー巡りの楽しみ方などのテーマもあります。
ワインだけでなく、ペーパータトゥーやフォトブース、会場から友達に絵葉書を送るコーナーがあったりと様々な仕掛けがあります。
そしてこのイベントの大きな売りの一つははオリジナルのアプリをダウンロードしておけば、気に入ったワインをクリックしておくだけで、それがいくらで、どこで買えるかを教えてくれるというもの。これで消費者はどんどんいろいろなワインを飲んで、気に入ったものをチェックしておけば、イベント後に自分がどんなワインなのかを知れたり、後日勝手楽しむことも出来ます。
現在、ニューヨークでは至る場所にワインバーやワインショップも増えており、ワイン人気も高まっております。ニュヨークのソムリエも以前のような年配のタキシードを着たソムリエではなく、Tシャツを着てタトゥーの入ったソムリエや女性ソムリエがどんどん増えてきております。これまでのようにワインを高級なものや難しいものとしてではなく、身近で気軽に楽しめるような流れがどんどん出来て来ているのがアメリカのワイン消費を支えていると思います。実際、この日は金曜日の夜でしたので、会社帰りに友達で来ている人達やデートで来ているカップルなども大勢いました。
若い人達が中心になり、自由な発想や新しいテクノロジーを駆使してこういうイベントを上手く仕掛けているのもとてもアメリカらしいと思います。日本でもこんな風に楽しくワインを飲めるイベントが増えることを期待しております。