Mar22

「NYワインの生きる伝説」ハーマン・J・ウィーマー氏

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ニューヨークワインのパイオニア的存在であるハーマン・J・ウィーマー氏がプライベートで来日。

その名前の通り、Hermann J. Wiemer Vineyard の創始者であり、フィンガー・レイクスを世界的なリースリングの産地に導いた立役者。NYでヴィニフェラの栽培に成功したドクター・コンスタンティン・フランクとも並び称される人物で、まさにニューヨークワイン業界では「生きる伝説」です。

米国ワイン誌『Wine&Spirits』が8年連続で「世界のTop100ワイナリー』に選出され、多くのNYのソムリエ達がアメリカのNo.1リースリングとも言う『Hermann J. Wiemer』のワインをここまで創り上げてきた功績は計り知れません。今はワイン造りから引退し、2代目のオーナーであるフレッド・マーワース氏とオスカー・ビンケ氏の二人にすべてを譲渡。ハーマンが道を切り拓き、今はフレッドとオスカーがNYワインの品質向上を牽引している存在として知られています。現在でも問題がある時にはブドウ栽培・ワイン醸造責任者であるフレッドからよく相談を受けたりしているそうです。

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ハーマンの母方はドイツのモーゼル地方で300年以上に渡ってワイン生産を営む一族であり、父はモーゼルの実験農場で第二次世界大戦後にブドウ畑の復興にあたった人物。1960年代にアメリカに移住してきたハーマンはこの地にリースリングの可能性を信じたのは必然でした。

今回、ハーマンから直接この頃の話や苦労などを聞けたのは貴重な機会でした。当時は誰もヴィニフェラの栽培など出来るとは思っておらず、周りの人達から反対をされたそうです。今やニューヨークワインの急速な品質向上を支えるコーネル大学でさえ、当時はラブルスカやハイブリッドの研究をするための機関であり、ヴィニフェラの栽培など相手にされなかったそうです。

また、ハーマン・J・ウィーマーは苗木の栽培・販売にも力を入れており、アメリカで唯一のワイン造りと苗木栽培をしているワイナリーとしても知られています。アメリカ東海岸の多くのワイナリーはここから苗木を買っており、いま巷で話題のトランプ大統領の所有するワイナリーもここの苗木を使っているそうです。

その他にもたくさんの裏話も聞けました。現在ワイン造りに携わっているパッション溢れる生産者達との会話は楽しいですが、反骨心溢れるパイオニアの話はかけがえのないもでした。こういった人達の努力があってこそ、今のニューヨークワインの繁栄があることを実感。

お食事は和食とワインのお店として有名な『小田島』さんへご案内。二代目の小田島大祐さんは昨年Hermann J. Wiemerにも訪問していますし、お店でも使って頂いております。ニューヨークのワイン生産者達もまさか自分たちの造っているNYワインと和食の相性がいいとは思っておらず、大喜びでした。

改めて、ニューヨークワインをもっと日本で広めたいと思える素晴らしい夜でした。

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